正司、八

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正司、八

結構山道を登った、道路はところどころ路面が凍っていた。
確かにこれでは正司のハイエースでは登れない。

正司と一度、
京都の西山の竹林で小雨降るなかヌタ場になったような林道で、
ハイエースのタイヤが泥濘(ぬかるみ)にハマってしまい、
深夜二人で必死になってそこから抜け出そうとしたことがあった。

その日、僕は初めて友人としてではなく先輩として正司を
叱りつけた。
正司は頭がキレるのが良いところだが、それ故か自分が正しいと
思い込む頑固さがあり、基本あまり人の言うことを聞かない(笑)。

その泥濘(ぬかるみ)にハマったとき、タイヤが滑らないように
二人して知恵を絞ってアレコレ方法を試した。

正司が運転し僕が泥塗れになりながら、板を挟んだり丸太を
挟んだりしたが、まったく駄目だった。
終いには泥と粘土で固められた林道が、車の重さに耐えられず
崩れ始め微妙に車が傾いている。
朝を迎えた頃には『にっちもさっちも』いかなくなったとき、僕が提案した。

『正司、俺誰か呼んでくるからこのまま待っててくれ』
そんなふうに言うと、

『誰がおるんスかこんな山の中、自力で出ますわ、車押してください...』
不貞腐れたように言う。

時間は朝の六時、もう三時間も泥濘にハマったままだった。
中途半端に試したことで、林道が痛み、寧ろ悪循環というのか車が竹林に
落っこちかけていた。

『ええから、これ以上無理したら車が竹林に落ちるって』
僕は正司を無理に誘ってこの竹林につれてきた責任もあり、
冷静に状況をよんだ。
だが、正司はうまくいかない苛立ちから怒っていた...が、
僕が先輩であるゆえか、ハッキリと怒りを口にせずスネた態度になった。


それをみた僕の怒りが炸裂した(笑)。

『なんじゃわれコルァ!このクソ餓鬼ゃ、おっ!!?』

いきなり僕の真剣に怒鳴りつけられた正司は
『えっ?』という顔になった。

『さっきから優しい言うとったらつけあがりやがってボケナス!
おんどれのやり方じゃ無理やから人呼びにいくて言うとるんやんけ!ぉお!?
たまには素直に歳上の俺の言うこと聞けやボンクラぁ!?』


正司は手にしていたロープをポトリと落とし、なぜだか瞬時に
『気をつけ』になり、『は...はい』と返事した。


結局近くの工務店の人にお願いをして、ハイエースを軽トラで
引っ張り上げてもらった。

そんなこともあった(笑)。


二人で山を歩いている間、一緒に山へゆき起こったたくさんの
出来事を二人思いだし、互いにあの時はどうの、と楽しかった。


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