正司、十

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正司、十


実際には会わずに電話だけで正司が言ってた言葉。

『禰彌さん、自分で気づいていないだけで、
たまにネタキレでシラフの時にでも、
異常な集中力や無茶に思える判断とか、
山の業とか第六感が冴えまくってる時があったじゃないですか』

そんなことを言われたのを覚えている。

『思うんですけど、禰彌さんはもう覚醒剤が必要ないんじゃないですか?』

...正司がしているように、ぼくも雪原に大の字になってみる。
山登りで熱くなった体にヒヤリとした冷気がまとわりつく。

『シャブがなくても大丈夫っていう話の事か?』
吸い込まれそうな夜明けの空だけが見える。
僕の中の邪(よこしま)な欲求が吸い込まれて行けばよいのに。


『さっきの質問ですけど、シャブやってる禰彌さんとシラフの禰彌さんの
どっちがどう...は、どっちでも良いです、
ただシャブ中の禰彌さんは金貸せてうるさい、
シャブ止めた禰彌さんは静かで何考えてるんかわからんです』

正司は雪原のうえに起き上がり、駐車場?で拾った杖を持って、
僕が以前教えた『杖術の六本型』をしていた、

僕は雪原に座り込み、正司の杖の動きを見ていた。

...初めは大きく力強く...。

以前正司に教えたことだ。
僕自身も武道の技みたいな細かいことはわすれつつあるが、
人の演武を見ていると口を挟みたくなる。

『手順わすれましたわ(笑)』
杖術の型を忘れたと笑いながら言う、
『中心を捉えられたら、それでいいねん』
そんな風に答えた。

山遊びしていた熱い時期を思い出した。
シャブでパキパキになったら、拾ってきた杖で剣撃の稽古をしたり、
素手での古流の型や合気柔術の応用の不思議な技とか、
僕はシャブでパキパキなので何をしていても楽しいが、正司はシラフだ。
僕なりに彼を飽きさせないように目を引く色々をした(笑)。

そうした関わり合いのなかで、段々正司は僕を理解していってくれた。

命を救われたことも三度はある。


『まぁ、パクられてなくてもそろそろ終わりが近づいてる予感もあってん、
止めたい...でも止められない、みたいな中途半端な感じでな...
ちゃんと楽しまへんかったらシャブの神様に失礼やろ?散々世話になったし(笑)』

折角の正司と遊べる数少ない機会、辛気くさい話でシケたらツマランと、
アホなことを言って笑った。


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