キチガイロマネスク

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新月の夜は波が沖合いをさざめくように。

月夜に満ちたさざめきは今は静まり、
朝陽が世界を照らすのを待っている。

靄(もや)のなかでの手探りの歩みは
瞽(めくら)の徘徊に過ぎないと振り返る。

不安の重みに押し潰された腰が足許の居心地悪さに疼く。


さざめきが聞こえるか?
耳元でがなりたてるメガホンさえ
聾(つんぼ)の我には響かない。

言葉がない我だと気づいた。
話せないのではない。
中身がない。

いつかのように月夜に波のさざめきを聞きながらも
中身がないから身軽だったその時と、
靄のなかを幻覚に脅えて彷徨(さまよ)い
出口を探して闇に捲かれたあの時も、
音のない僻地の渓流で乞食同然のただ今も、

何も持たない強みを備えて

聲高らかにさあ歌え
ここに響かぬさざめきならば
在らぬガングリつまらん妄想

聲高らかにさあ歌え
我(われ)が言葉とさあ歌え。

いざ回帰せん
キチガイロマネスク

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