限りなく実像に近い虚像

| コメント(0) | トラックバック(0)

しばらくのあいだパウダーに酔った。
そののち未規制の物質は入手が難しくなり、結局は
ときどきに、以前狂った冷たい結晶に戻らざるをえなかった。

言い訳がましいが、やはり苦い結晶には本気で魅せられることは無かった。
もうすでに、自分の中ではその存在にはそれほどの魅力も魔力も
...感じられなくなってしまっていた。


仕方なしに‥他に選択できるモノが無いという理由で...、
極めて安易に手に入る存在に寄りかかる。

ところが記憶のなかでの冷たい優しさを感じることもなく、
ただただ狂った欲情に正気を失うだけの、
獣じみた性欲に忘我し自虐的な時を得るだけの...、

歓びを伴わない‥自慰ですらない。
残酷な現実だけしか形を成さない、
以前にもまして空しい錯乱。


法で縛られ、理性に絡み捕られ、
何もかも破滅的にしか思えない、息の詰まる興奮はもう


終わりしか見えない。

いつか薄れゆく記憶が甦ることなく、
感情が痴呆の海に溺れて欲情が自失すれば。


ようやく被虐的な欲望による快楽から逃れて

穏やかな絶望の奥にある揺蕩(たゆた)う微睡(まどろ)みに、
今生の安堵たる死が...

優しく未来の幕を閉じてくれる。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://svahadevie.com/mt/mt-tb.cgi/581

コメントする

最近のブログ記事

Powered by Movable Type 5.2.13